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AIを使って仕事を進める人
ツール紹介

WebディレクターのためのChatGPT活用術

企画の壁打ち相手として要件定義やアイデア出しを加速させる

Webディレクターの業務において、最も頭を悩ませるのがプロジェクトの初期段階における要件定義やコンセプトメイクではないでしょうか。

クライアントからの要望がふわっとしている段階で構成案を練らなければならないとき、ChatGPTは非常に優秀な壁打ち相手となります。
一人でモニターに向かって悩む時間を減らし、対話形式で思考を整理することで、企画の解像度を一気に高めることが可能です。

例えば、新しいキャンペーンサイトの企画立案をする際、単にアイデアを出させるのではなく、ChatGPTに具体的な役割(ペルソナ)を与えることが重要です。

「あなたは大手広告代理店のベテランWebプランナーです。20代女性をターゲットにした、オーガニック化粧品のランディングページの構成案を3つ提案してください。競合他社との差別化ポイントもセットで提示してください」といったように、役割とターゲット、成果物を明確に指示することで、より精度の高い回答が得られます。

また、クライアントとのヒアリング時に走り書きした乱雑なメモを整理する作業にも威力を発揮します。
箇条書きのメモをそのまま貼り付け、「以下のヒアリング内容をもとに、Webサイトの要件定義書のたたき台を作成してください。必須機能、ターゲット、デザインの方向性に分けて整理すること」と指示を出せば、数秒で整ったドキュメントの骨子が完成します。

もちろんそのまま提出できるわけではありませんが、ゼロから書き起こす労力を大幅に削減できるため、空いた時間をよりクリエイティブな思考やクライアントとのコミュニケーションに充てることができるようになります。

メール返信からダミーテキスト生成まで実務の時間を短縮する

日々の業務の中で意外と時間を奪われているのが、メールの返信やチャットでの連絡業務、そしてワイヤーフレーム作成時のダミーテキストの用意といった細かい作業です。
ChatGPTを組み込むことで、驚くほどスムーズに進行させることができます。

特に、クライアントに対して言いにくいこと、例えばスケジュールの遅延報告や追加費用の交渉、仕様変更の断りを入れるメールなどは、文面に悩みすぎて筆が止まってしまうこともあるはずです。

その場合は「丁寧かつ誠実なトーンで、仕様変更の要望を断るメールを作成してください。予算内で対応できないことと、代替案として既存機能での対応を提案する内容を含めてください」と状況を伝えるだけで、角が立たない適切な文面案を提示してくれます。

さらに、Webデザインやワイヤーフレームの制作進行においても具体的な活用方法があります。
デザインカンプを作成する際、Lorem Ipsumやテキストテキストといった無意味なダミーテキストを入れることがありますが、これでは実際の文字量感や改行位置がつかめず、本番実装時にレイアウト崩れの原因になることが少なくありません。

そこでChatGPTを活用し、「歯科医院のWebサイトの『当院について』のセクションに入る紹介文を、300文字程度で作成してください。親しみやすさと信頼感を重視した内容でお願いします」と指示を出します。

生成された本番に近いダミーテキストをデザイン段階から入れておくことで、デザイナーもコンテンツの意図を汲み取ったデザインがしやすくなり、クライアントへの確認出しの際もイメージの齟齬が起きにくくなります。

業務利用で必ず押さえておくべきセキュリティと著作権の知識

非常に便利な生成AIですが、Webディレクターとして業務で利用する以上、リスク管理についても正しく理解しておく必要があります。

特に注意しなければならないのが、情報漏洩のリスクです。
特に学習設定がオンになっている場合に入力したデータは、AIの学習モデルに利用される可能性があります。

クライアントの企業名、未公開のプロジェクト名、個人情報、サーバーのパスワードといった機密情報は絶対に入力してはいけません。

もし具体的な案件の相談をしたい場合は、固有名詞を「A社」「Bプロジェクト」のように伏せ字にするか、内容を一般化した状態で質問する癖をつける必要があります。

また、著作権や情報の正確性についても注意が必要です。
生成AIが出力する情報は、過去のWeb上のデータをもとに確率的に生成されたものであり、平然と嘘をつくこと(ハルシネーション)があります。

実在しない法律や、誤った技術仕様をもっともらしく解説することがあるため、出力された情報は必ず人間の目で裏取りを行い、真偽を確認しなければなりません。

著作権に関しても、生成物が既存の著作物に酷似してしまった場合、意図せず権利侵害になるリスクも議論されています。

特にキャッチコピーや記事コンテンツとしてそのまま使用する場合は、コピペチェックツールを通すなど、慎重な確認フローを挟むことが重要です。

WebディレクターにとってChatGPTはあくまで「優秀なアシスタント」であり、最終的な品質責任と判断は人間が担うものであるという意識を忘れずに、賢く使いこなしてみてはいかがでしょうか。